V  交流及び共同学習の在り方



 交流及び共同学習とは

@特別支援学級の児童生徒にとって
 障害のある児童生徒が、円滑な対人関係を形成し、豊かな社会生活を送ることができるようにするためには、特別支援学級できめ細かな指導を行うとともに、児童生徒の経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てるための交流及び共同学習が重要となります。

A小・中学校の児童生徒や地域の方にとって
 小・中学校の児童生徒や地域の人たちにとって、障害のある児童生徒との交流及び共同学習は、互いを正しく理解し、ともに助け合い、支え合って生きていくための基盤となる活動となります。
 また、「交流及び共同学習」とは、相互のふれ合いを通じて豊かな人間性を育むことを目的とする交流の側面と、教科等のねらいの達成を目的とする共同学習の側面があるものと考えられます。


 実施にあたっての配慮点

学校経営の重点事項として、学校の教育全体の中に明確に位置づけます。
特別支援学級の経営や子どもの実態、交流の目的等を全職員で共通理解します。
交流先の担任と連携を密にし、十分な打ち合わせをし、協力体制を整えていきます。
週時程表の作成にあたっては、交流しやすいように計画時点で調整します。
交流の目的、内容、参加の仕方等について保護者の理解、協力を得るようにします。

 交流先の子どもたちが、仲間としてともに活動できるように、学年部や交流先の担任と連携しながら、障害等について理解啓発を図っていきましょう。また、特別支援学級の子どもが、交流学習にスムーズに向かえるようにするためにも、日常的にかかわりがもてる工夫をしていきましょう。


 交流及び共同学習の実践例


交流先 主な内容
通常学級(同学年) 各教科、学級活動(HR)、道徳、総合的な学習の時間、朝の会、帰りの会、給食 など
※ 特別支援学級の学習に、通常の学級の児童生徒が参加する形態もあります。
他校の特別支援学級
特別支援学校
生活単元学習、総合的な学習の時間 など


<参考文献>
○ 文部科学省「よりよい理解のために−交流及び共同学習事例集−」(ジアース教育新社)
○ 文部科学省「交流教育ハンドブック」(障害児教育財団)