U 学習指導の基本



4 生活単元学習 


 具体的で現実的な生活場面における直接的な経験を通して、子どもたちの生活力を高めていく、領域・教科を合わせた指導の形態です。

 生活単元学習の指導では、児童生徒の学習活動は、生活的な目標や課題に沿って組織されることが大切です。また、近年、小学部では、児童の障害の程度の重度化及び障害の重複化に伴い、遊びを取り入れた生活単元学習を展開している学校もあります。


どんな内容を?

 生活単元学習は、生活上のテーマに沿った活動に取り組み、その結果として各教科や領域の内容を習得していきます。生活単元学習の手引き(昭和61年、文部省)では、生活単元学習の望ましい条件として、以下の点を上げています。


@ 実際の生活から発展し、児童生徒の興味に基づいたものであること
A 心身の発達水準に合ったもので、個人差にも適合すること
B 必要な知識・技能の習得とともに、生活の望ましい習慣・態度の形成を図ること
C 児童生徒が目標や見通しをもって、積極的に取り組めるものであること
D 共同して取り組んだり、かかわりをもって活動できるよう配慮されていること
E 児童生徒の目標や課題の成就に必要十分で、自然な生活としてのまとまりが、活動として組織されていること
F 豊かな内容を含む活動で組織され、多種多様な経験ができるよう計画されていること
G 終了時には、大きな満足感・成就感が味わえるものであること
H 活動によって身につけた関心・技能・習慣・態度が、その後に生かされるものであること


  実践例:天王みどり学園地域支援部通信「アシスト」

テーマ 内  容
 制作・生産活動  調理活動、栽培、木工、遊び道具づくり など
 学校行事  運動会、学習発表会、文化祭、遠足、修学旅行、宿泊学習 など
 季節に関すること  気温調べ、植物の観察、天気調べ など
 生活に関すること  町探検、買い物に行こう、かぜの予防 など
 その他  児童生徒の興味関心に応じたもの(「カブトムシの観察」など)



指導の留意点


@ 計画するときには、子どもたちの生活に根ざした活動を単元の中心に設定します。子どもたちの生活に根ざした活動とは、「楽しく期待のもてる活動」「自然な生活としてのまとまりと流れをもった活動」「生活的な目標、課題としてのテーマをもった活動」などを指します。
A 単元におけるねらいは、「意欲的に取り組む力」「生活する力」をキーワードに設定します。
B 授業の展開では、必然性や実際的な活動を大切にすること、課題意識や目標意識をもつことができるように、一定の活動を繰り返して行うこと、自発的に取り組めるような状況づくりをしていくことが大切です。



 


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