U 学習指導の基本



3 遊びの指導



 遊びの指導は、遊びを学習の中心に据えて、身体活動を活発にし、仲間とのかかわりを促し、意欲的な活動を育てていくものです。遊びの指導には、各教科の内容をはじめ、道徳、特別活動及び自立活動の内容が含まれています。

 子どもにとって遊びは、それ自体を目的に楽しむ活動です。子どもは自由に自発的に遊ぶ中で、何より遊びを楽しみつつ自らが主体的にかかわり、身体を動かし、何かを作り上げ、友だちとかかわり合い、様々な物や活動のイメージを作り上げていきます。

 遊びの指導では、各教科の内容を遊び化して指導する、ということではありません。自発的な遊び(活動)自体を楽しむ活動として展開されていく中で、各領域・各教科の内容が様々な形で統合され指導される指導の形態であるといえます。


どんな内容を?


 遊びの指導は、自由遊びと課題遊びとに分けることがあります。
 自由遊びは、一定の条件の場や遊具などが限定されることなく、児童が自由に取り組む遊びです。一方、課題遊びは、砂、水、紙、粘土、段ボール、積み木、ボールなどで設定した一定の場や遊具などで、一定の課題に沿って取り組む遊びです。これらの課題が、生活単元学習や音楽、図画工作、体育などの学習の課題へと移行し、発展していきます。

  実践例:天王みどり学園地域支援部通信「アシスト」


指導の留意点


 遊びの指導にあたっては、次のような点を考慮することが重要です。

@ 児童が積極的に遊ぼうとする環境を設定する。
A 教師と児童、児童同士のかかわりを促す場を設定し、遊具等を工夫するようにする。
B 身体活動が活発に展開できる遊びを多く取り入れるようにする。
C 遊びをできる限り制限することなく、安全に遊べる場や遊技を設定するようにする。
D 自ら遊びに取り組むことが難しい児童には、遊びを促し、遊びに誘い、いろいろな遊びを経験させ、遊びの楽しさを味わわせるようにする。


 遊びへの最大の支援は、教師も児童とともに遊ぶことです。教師も一緒に遊び、心底から児童とともに楽しむ・・・このような教師の共感的かかわりで、児童は楽しさを実感し、遊ぶ意欲や関心を高めます。また、教師の遊ぶ様子は児童のよいモデルになり、遊びを広げることにつながります。


 


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